実績とお客様の声

c小林多喜二と埴谷雄高  

  • d荒木 優太様
  • d専門書

 埴谷雄高は生前、自身の著作の文庫化を認めず、死後でも五十年は間を空けておくべきだと主張していた。安価な文庫とは、誰でもが読むべき評価の定まった古典が登録されるべきだからだ。埴谷は資本主義化した出版機構に批判的だった。しかしながら、埴谷の意見に反して、この度、拙著を文庫で発表することになった。それは、文学(研究)書が書庫や書斎や図書館といったライブラリーに仕舞われるものだという臆見に対し意義を申し立てる本書最終章の主張に最適化された姿だと考えたからだ。誰しもが快適な読書環境で読書をできる訳ではない。文庫という形式そのものが、小林多喜二で埴谷雄高を批判するという本書のテーマの一つを予告している。それを可能にしてくれた貴社、そして担当の檜岡様の力添えに心から感謝している。

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