この度、ネパールを自転車で旅行した際の記録を、一冊の文庫本として上梓しました。
標高八千メートルを超えるヒマラヤ山麓ならではの、自然が威勢を誇示する光景と向き合い、また、彼の地で営む人々の素朴な生活に触れた数日間でした。
私にとっては、一期一会の偶感と心象が、いくつも積み重なった貴重な旅でした。
しかし、その邂逅や体験を言葉にして表現するのは容易ではありませんでした。
執筆にあたり心掛けたのは、語彙を慎重に選び、言葉を丁寧に彫り、文章の構成に苦心して、ひとつひとつを丁寧に綴ることでした。
それでも私の拙い表現力や知見では力が及ばず、何度も推敲を重ねることになりました。
本文の追記、修正、削除といった変更の数々。全体の校正に費やした時間と作業量は膨大でした。
そのたびに、貴社には大変お世話になりました。
私のパソコンの中には、幾度となく練り直した記録が残っていますが、その一つひとつに、貴社の支えがありました。
おかげさまで、「本は文化の基底をなす」という矜持を持ち続けたまま、無事に上梓へとたどり着くことができました。
結果として、原稿の変更回数は数十回に及び、完成までに想定外の時間を要しましたが、貴社はそれにも快く対応してくださいました。
本欄は「利用した感想」とのことですが、感謝の気持ち以外、言葉が見つかりません。
本当にありがとうございました。
書籍体裁 | ソフトカバー 文庫判 |
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本文仕様 | モノクロ 246ページ |